1page.title=バインドされたサービス
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4@jd:body
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7<div id="qv-wrapper">
8<ol id="qv">
9<h2>本書の内容</h2>
10<ol>
11  <li><a href="#Basics">基本</a></li>
12  <li><a href="#Creating">バインドされたサービスを作成する</a>
13    <ol>
14      <li><a href="#Binder">Binder クラスを拡張する</a></li>
15      <li><a href="#Messenger">メッセンジャーを使用する</a></li>
16    </ol>
17  </li>
18  <li><a href="#Binding">サービスにバインドする</a></li>
19  <li><a href="#Lifecycle">バインドされたサービスのライフサイクルを管理する</a></li>
20</ol>
21
22<h2>キークラス</h2>
23<ol>
24  <li>{@link android.app.Service}</li>
25  <li>{@link android.content.ServiceConnection}</li>
26  <li>{@link android.os.IBinder}</li>
27</ol>
28
29<h2>サンプル</h2>
30<ol>
31  <li><a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/src/com/example/android/apis/app/RemoteService.html">{@code
32      RemoteService}</a></li>
33  <li><a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/src/com/example/android/apis/app/LocalService.html">{@code
34      LocalService}</a></li>
35</ol>
36
37<h2>関連ドキュメント</h2>
38<ol>
39  <li><a href="{@docRoot}guide/components/services.html">サービス</a></li>
40</ol>
41</div>
42
43
44<p>バインドされたサービスは、クライアントサーバー インターフェースにおけるサーバーになります。バインドされたサービスでは、コンポーネント(アクティビティなど)をサービスにバインドしたり、送信を要求したり、受信を応答したり、さらにはプロセス間通信(IPC)を実行したりできるようにします。
45
46通常、バインドされたサービスは他のアプリケーション コンポーネントを提供している間だけ機能し、バックグラウンドで無期限に実行されることはありません。
47</p>
48
49<p>このドキュメントでは、他のアプリケーション コンポーネントからのサービスにバインドする方法を含む、バインドされたサービスの作成方法について説明します。
50ただし、サービスから通知を配信する方法や、フォアグラウンドでサービスを実行するよう設定する方法など、サービス全般の詳細については、「<a href="{@docRoot}guide/components/services.html">サービス</a>」のドキュメントをご覧ください。
51
52</p>
53
54
55<h2 id="Basics">基本</h2>
56
57<p>バインドされたサービスは、他のアプリケーションのバインドとやり取りを可能にする {@link android.app.Service} クラスの実装です。
58サービスのバインドを提供するには、{@link android.app.Service#onBind onBind()} コールバック メソッドを実装する必要があります。
59このメソッドでは {@link android.os.IBinder} オブジェクトが返されます。このオブジェクトはクライアントがサービスとのやり取りに使用するプログラミング インターフェースを定義します。
60
61</p>
62
63<div class="sidebox-wrapper">
64<div class="sidebox">
65  <h3>開始されたサービスにバインドする</h3>
66
67<p><a href="{@docRoot}guide/components/services.html">サービス</a> ドキュメントで説明されているように、開始されるサービスとバインドされるサービスの両方を作成できます。
68つまり、{@link android.content.Context#startService startService()} を呼び出して開始されるサービスは無期限に実行でき、クライアントが {@link
69android.content.Context#bindService bindService()} を呼び出してサービスにバインドできます。
70
71
72  <p>サービスの開始とバインドを許可すると、サービスが開始するとすべてのクライアントがアンバインドしても、システムによってサービスが破棄されることは<em>ありません</em>。
73代わりに、{@link android.app.Service#stopSelf stopSelf()} や {@link
74android.content.Context#stopService stopService()} を呼び出して、サービスを明示的に停止する必要があります。
75</p>
76
77<p>通常実装するのは、{@link android.app.Service#onBind onBind()}
78<em> か </em>{@link android.app.Service#onStartCommand onStartCommand()} のどちらかですが、両方の実装が必要な場合もあります。
79たとえば、音楽プレーヤーの場合はサービスを無期限に実行しつつ、バインドも提供できると便利な場合があります。
80この方法であれば、アクティビティがサービスを開始して音楽を再生し、ユーザーがアプリケーションから離れた場合も音楽を再生し続けることができます。
81次にユーザーがアプリケーションに戻ったとき、アクティビティがサービスにバインドして再生のコントロールをもう一度行えるようになります。
82</p>
83
84<p>開始されたサービスにバインドを追加する際のサービスのライフサイクルの詳細については、<a href="#Lifecycle">バインドされたサービスのライフサイクルを管理する</a>を必ずご覧ください。
85
86</p>
87</div>
88</div>
89
90<p>クライアントは、{@link android.content.Context#bindService
91bindService()} を呼び出せばサービスにバインドできます。バインドするときは、サービスとの接続を監視する {@link
92android.content.ServiceConnection} を実装する必要があります。{@link
93android.content.Context#bindService bindService()} メソッドは値なしですぐに返されますが、Android システムがクライアントとサービス間の接続を作成すると {@link
94android.content.ServiceConnection} の {@link
95android.content.ServiceConnection#onServiceConnected onServiceConnected()} が呼び出され、クライアントがサービスとの通信に使用できる {@link android.os.IBinder} が配信されます。
96
97
98</p>
99
100<p>複数のクライアントが同時にサービスに接続できます。ただし、1 つ目のクライアントのバインドの際にのみ、システムはサービスの {@link android.app.Service#onBind onBind()} メソッドを呼び出して{@link android.os.IBinder} を取得します。
101
102その後システムは {@link android.app.Service#onBind onBind()} を呼び出すことなく、同じ {@link android.os.IBinder} をバインドしたすべてのクライアントに配信します。
103</p>
104
105<p>最後のクライアントがサービスからアンバインドされると、システムはサービスを破棄します(サービスが {@link android.content.Context#startService startService()} でも開始された場合を除く)。
106</p>
107
108<p>バインドされたサービスを実装するときに最も重要なのは、{@link android.app.Service#onBind onBind()} コールバック メソッドが返すインターフェースを定義することです。
109サービスの {@link android.os.IBinder} インターフェースの定義には複数の方法があり、次のセクションではそれぞれのテクニックについて説明していきます。
110
111</p>
112
113
114
115<h2 id="Creating">バインドされたサービスを作成する</h2>
116
117<p>バインドを提供するサービスを作成するとき、クライアントがサービスとのやり取りに使用するプログラミング インターフェースを提供する {@link android.os.IBinder} を提示する必要があります。
118インターフェースを定義するには、次の 3 つの方法があります。
119</p>
120
121<dl>
122  <dt><a href="#Binder">Binder クラスを拡張する</a></dt>
123  <dd>サービスが独自のアプリケーション専用であり、クライアントと同じプロセスで実行する場合(ほとんどのケースに該当)、{@link android.os.Binder} クラスを拡張して {@link android.app.Service#onBind onBind()} からそのインスタンスを返すことでインターフェースを作成します。
124
125
126クライアントは {@link android.os.Binder} を受け取り、それを使用して {@link android.os.Binder} の実装や {@link android.app.Service} で利用できる public メソッドに直接アクセスできます。
127
128
129  <p>サービスが単にアプリケーションのバックグラウンド ワーカーである場合は、この方法が適しています。
130この方法が適していない唯一のケースは、サービスが他のアプリケーションや、別のプロセス間で使用されている場合です。
131</dd>
132
133  <dt><a href="#Messenger">メッセンジャーを使用する</a></dt>
134  <dd>別のプロセス間で動作するインターフェースが必要な場合は、{@link android.os.Messenger} を使用してサービス用のインターフェースを作成できます。
135この方法では、サービスが異なるタイプの {@link
136android.os.Message} オブジェクトに応答する {@link android.os.Handler} を定義します。
137この {@link android.os.Handler} を基本として {@link android.os.Messenger} は {@link android.os.IBinder} をクライアントと共有でき、 クライアントは {@link
138android.os.Message} オブジェクトを使用してサービスにコマンドを送信できるようになります。
139
140さらに、クライアントはサービスがメッセージを返信できるように独自の {@link android.os.Messenger} を定義できます。
141
142  <p>これは、最も簡単にプロセス間通信(IPC)を実行する方法であり、{@link
143android.os.Messenger} がすべてのリクエストを 1 つのスレッドにキューイングするため、サービスをスレッドセーフにデザインする必要がありません。
144</p>
145  </dd>
146
147  <dt>AIDL を使用する</dt>
148  <dd>AIDL(Android インターフェース定義言語)は、オブジェクトをオペーレーティングシステムが理解できるプリミティブに分解するためのすべての処理のを実行し、プロセス間でそれを整理して IPC 実行します。{@link android.os.Messenger} を使用する前の方法は、実際には AIDL を基本構造としています。
149
150
151前述したように、{@link android.os.Messenger} はすべてのクライアントの要求のキューを 1 つのスレッドに作成するため、サービスは要求を一度に受け取ります。
152ただし、サービスで複数の要求を同時に処理する場合は、AIDL を直接使用できます。
153
154その場合、サービスがマルチスレッドに対応しており、スレッドセーフで構築されている必要があります。
155  <p>AIDL を直接使用するには、プログラミング インターフェースを定義する {@code .aidl} ファイルを作成する必要があります。
156Android SDK ツールはこのファイルを使用して、インターフェースを実装して IPC を処理する抽象クラスを生成し、それをサービス内に拡張できます。
157
158</p>
159  </dd>
160</dl>
161
162  <p class="note"><strong>注:</strong> ほとんどのアプリケーションにおいて、マルチスレッド化が必要な点や、結果的により複雑な実装となってしまうことから、AIDL を使ったバインドされたサービスの作成は<strong>お勧めしません</strong>。
163
164AIDL はほとんどのアプリケーションに適していないため、このドキュメントではサービスでの AIDL の使用方法については取り上げません。
165どうしても AIDL の直接使用が必要な場合は、「<a href="{@docRoot}guide/components/aidl.html">AIDL</a>」のドキュメントをご覧ください。
166
167</p>
168
169
170
171
172<h3 id="Binder">Binder クラスを拡張する</h3>
173
174<p>サービスがローカルのアプリケーションでのみ使用されていて、プロセス間での作業が必要ない場合は、クライアントがサービスの public メソッドに直接アクセスできるようにする独自の {@link android.os.Binder} クラスを実装できます。
175
176</p>
177
178<p class="note"><strong>注:</strong> この方法は、クライアントとサービスが同じアプリケーションとプロセスにある場合(最も一般的なケース)のみ使用できます。
179たとえば、バックグラウンドで音楽を再生する独自のサービスに、アクティビティをバインドする必要のある音楽アプリケーションに適しています。
180
181</p>
182
183<p>セットアップ方法は次のとおりです。</p>
184<ol>
185  <li>サービスで次のいずれかに該当する {@link android.os.Binder} のインスタンスを作成します。
186    <ul>
187      <li>クライアントが呼び出せる public メソッドを含んでいる</li>
188      <li>クライアントが呼び出せる public メソッドのある現在の {@link android.app.Service} インスタンスを返す
189</li>
190      <li>クライアントが呼び出せる public メソッドのあるサービスでホストされた他のクラスのインスタンスを返す
191</li>
192    </ul>
193  <li>{@link android.os.Binder} のインスタンスを {@link
194android.app.Service#onBind onBind()} コールバック メソッドから返します。</li>
195  <li>クライアントで、{@link android.os.Binder} を {@link
196android.content.ServiceConnection#onServiceConnected onServiceConnected()} コールバック メソッドから受け取り、提供されたメソッドを使用してバインドされたサービスを呼び出します。
197</li>
198</ol>
199
200<p class="note"><strong>注:</strong> サービスとクライアントが同じアプリケーションになければならない理由は、クライアントが返されたオブジェクトをキャストでき、その API を適切に呼び出せるようにするためです。
201また、サービスとクライアントが同じプロセスになければならない理由は、この方法ではプロセス間の整理が一切行われないためです。
202
203</p>
204
205<p>以下は、{@link android.os.Binder} の実装を介してサービスのメソッドにクライアントアクセスを提供するサービスの例です。
206</p>
207
208<pre>
209public class LocalService extends Service {
210    // Binder given to clients
211    private final IBinder mBinder = new LocalBinder();
212    // Random number generator
213    private final Random mGenerator = new Random();
214
215    /**
216     * Class used for the client Binder.  Because we know this service always
217     * runs in the same process as its clients, we don't need to deal with IPC.
218     */
219    public class LocalBinder extends Binder {
220        LocalService getService() {
221            // Return this instance of LocalService so clients can call public methods
222            return LocalService.this;
223        }
224    }
225
226    &#64;Override
227    public IBinder onBind(Intent intent) {
228        return mBinder;
229    }
230
231    /** method for clients */
232    public int getRandomNumber() {
233      return mGenerator.nextInt(100);
234    }
235}
236</pre>
237
238<p>{@code LocalBinder} が {@code LocalService} の現在のインスタンスを取り出すための {@code getService()}メソッドをクライアントに提供します。
239これにより、クライアントがサービス内の public メソッドを呼び出せるようになります。
240たとえば、クライアントはサービスから {@code getRandomNumber()} を呼び出すことができます。</p>
241
242<p>以下は、{@code LocalService} にバインドして、ボタンがクリックされたときに {@code getRandomNumber()} を呼び出すアクティビティの例です。
243</p>
244
245<pre>
246public class BindingActivity extends Activity {
247    LocalService mService;
248    boolean mBound = false;
249
250    &#64;Override
251    protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
252        super.onCreate(savedInstanceState);
253        setContentView(R.layout.main);
254    }
255
256    &#64;Override
257    protected void onStart() {
258        super.onStart();
259        // Bind to LocalService
260        Intent intent = new Intent(this, LocalService.class);
261        bindService(intent, mConnection, Context.BIND_AUTO_CREATE);
262    }
263
264    &#64;Override
265    protected void onStop() {
266        super.onStop();
267        // Unbind from the service
268        if (mBound) {
269            unbindService(mConnection);
270            mBound = false;
271        }
272    }
273
274    /** Called when a button is clicked (the button in the layout file attaches to
275      * this method with the android:onClick attribute) */
276    public void onButtonClick(View v) {
277        if (mBound) {
278            // Call a method from the LocalService.
279            // However, if this call were something that might hang, then this request should
280            // occur in a separate thread to avoid slowing down the activity performance.
281            int num = mService.getRandomNumber();
282            Toast.makeText(this, "number: " + num, Toast.LENGTH_SHORT).show();
283        }
284    }
285
286    /** Defines callbacks for service binding, passed to bindService() */
287    private ServiceConnection mConnection = new ServiceConnection() {
288
289        &#64;Override
290        public void onServiceConnected(ComponentName className,
291                IBinder service) {
292            // We've bound to LocalService, cast the IBinder and get LocalService instance
293            LocalBinder binder = (LocalBinder) service;
294            mService = binder.getService();
295            mBound = true;
296        }
297
298        &#64;Override
299        public void onServiceDisconnected(ComponentName arg0) {
300            mBound = false;
301        }
302    };
303}
304</pre>
305
306<p>上の例は、{@link android.content.ServiceConnection} の実装と {@link
307android.content.ServiceConnection#onServiceConnected onServiceConnected()} コールバックを使用してクライアントがサービスにバインドする方法を示しています。
308次のセクションでは、サービスへのバインドのプロセスについて詳しく説明していきます。
309</p>
310
311<p class="note"><strong>注:</strong> 上記の例ではサービスから明示的にアンバウンドしていませんが、すべてのクライアントは適切なタイミング(アクティビティが一時停止したときなど)でアンバウンドする必要があります。
312</p>
313
314<p>他のサンプル コードについては、<a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/index.html">ApiDemos</a> の <a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/src/com/example/android/apis/app/LocalService.html">{@code
315LocalService.java}</a> クラスと <a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/src/com/example/android/apis/app/LocalServiceActivities.html">{@code
316LocalServiceActivities.java}</a> クラスをご覧ください。</p>
317
318
319
320
321
322<h3 id="Messenger">メッセンジャーを使用する</h3>
323
324<div class="sidebox-wrapper">
325<div class="sidebox">
326  <h4>AIDL との比較</h4>
327  <p>IPC を実行する必要がある場合、インターフェースで {@link android.os.Messenger} を使う方が AIDL で実装するよりも簡単です。{@link android.os.Messenger} がすべての呼び出しをサービスにキューイングするのに対して、純粋な AIDL インターフェースでは同時に複数の要求をサービスに送るため、マルチスレッドの処理が必要になるためです。
328
329
330</p>
331  <p>ほとんどのアプリケーションにおいて、サービスはマルチスレッドを実行する必要がないため、{@link
332android.os.Messenger} を使用することでサービスが一度に 1 つの呼び出しを処理できます。サービスのマルチスレッド化が重視されている場合は、<a href="{@docRoot}guide/components/aidl.html">AIDL</a> を使用してインターフェースを定義してください。
333</p>
334</div>
335</div>
336
337<p>リモート プロセスと通信するサービスが必要な場合は、{@link android.os.Messenger} を使用してサービスのインターフェースを提供できます。
338この方法では、AIDL を使用する必要なくプロセス間通信(IPC)を実行できます。
339</p>
340
341<p>{@link android.os.Messenger} の使用方法の概要は以下のとおりです。</p>
342
343<ul>
344  <li>クライアントからの呼び出しごとにコールバックを受け取る{@link android.os.Handler} をサービスが実装します。
345</li>
346  <li>{@link android.os.Handler} を使用して {@link android.os.Messenger} オブジェクトを作成します(
347{@link android.os.Handler} への参照になります)。</li>
348  <li>{@link android.os.Messenger} が、サービスが {@link android.app.Service#onBind onBind()} からクライアントに返す {@link android.os.IBinder} を作成します。
349</li>
350  <li>クライアントが {@link android.os.IBinder} を使用して、(サービスの {@link android.os.Handler} を参照する){@link android.os.Messenger} をインスタンス化し、これを使用してクライアントが {@link android.os.Message} オブジェクトをサービスに送ります。
351
352</li>
353  <li>サービスが {@link
354android.os.Handler}、具体的には、{@link android.os.Handler#handleMessage
355handleMessage()} メソッドで、それぞれの {@link android.os.Message} を受け取ります。&mdash;</li>
356</ul>
357
358
359<p>この方法には、クライアントがサービスで呼び出す「メソッド」はありません。代わりに、クライアントはサービスが {@link android.os.Handler} で受け取る「メッセージ({@link android.os.Message} オブジェクト)」を配信します。
360
361</p>
362
363<p>以下は、{@link android.os.Messenger} インターフェースを使用するサービスの簡単な例です。</p>
364
365<pre>
366public class MessengerService extends Service {
367    /** Command to the service to display a message */
368    static final int MSG_SAY_HELLO = 1;
369
370    /**
371     * Handler of incoming messages from clients.
372     */
373    class IncomingHandler extends Handler {
374        &#64;Override
375        public void handleMessage(Message msg) {
376            switch (msg.what) {
377                case MSG_SAY_HELLO:
378                    Toast.makeText(getApplicationContext(), "hello!", Toast.LENGTH_SHORT).show();
379                    break;
380                default:
381                    super.handleMessage(msg);
382            }
383        }
384    }
385
386    /**
387     * Target we publish for clients to send messages to IncomingHandler.
388     */
389    final Messenger mMessenger = new Messenger(new IncomingHandler());
390
391    /**
392     * When binding to the service, we return an interface to our messenger
393     * for sending messages to the service.
394     */
395    &#64;Override
396    public IBinder onBind(Intent intent) {
397        Toast.makeText(getApplicationContext(), "binding", Toast.LENGTH_SHORT).show();
398        return mMessenger.getBinder();
399    }
400}
401</pre>
402
403<p>{@link android.os.Handler} の {@link android.os.Handler#handleMessage handleMessage()} メソッドが、サービスが {@link android.os.Message} を受け取る場所であり、{@link android.os.Message#what} メンバーに基づいてその後の操作を決める場面であることに注目してください。
404
405</p>
406
407<p>クライアントで必要な操作は、サービスから返された {@link
408android.os.IBinder} に基づいて {@link android.os.Messenger} を作成し、{@link
409android.os.Messenger#send send()} を使用してメッセージを送信するだけです。例として、サービスにバインドして {@code MSG_SAY_HELLO} メッセージをサービスに送信する簡単なアクティビティを次に示します。
410</p>
411
412<pre>
413public class ActivityMessenger extends Activity {
414    /** Messenger for communicating with the service. */
415    Messenger mService = null;
416
417    /** Flag indicating whether we have called bind on the service. */
418    boolean mBound;
419
420    /**
421     * Class for interacting with the main interface of the service.
422     */
423    private ServiceConnection mConnection = new ServiceConnection() {
424        public void onServiceConnected(ComponentName className, IBinder service) {
425            // This is called when the connection with the service has been
426            // established, giving us the object we can use to
427            // interact with the service.  We are communicating with the
428            // service using a Messenger, so here we get a client-side
429            // representation of that from the raw IBinder object.
430            mService = new Messenger(service);
431            mBound = true;
432        }
433
434        public void onServiceDisconnected(ComponentName className) {
435            // This is called when the connection with the service has been
436            // unexpectedly disconnected -- that is, its process crashed.
437            mService = null;
438            mBound = false;
439        }
440    };
441
442    public void sayHello(View v) {
443        if (!mBound) return;
444        // Create and send a message to the service, using a supported 'what' value
445        Message msg = Message.obtain(null, MessengerService.MSG_SAY_HELLO, 0, 0);
446        try {
447            mService.send(msg);
448        } catch (RemoteException e) {
449            e.printStackTrace();
450        }
451    }
452
453    &#64;Override
454    protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
455        super.onCreate(savedInstanceState);
456        setContentView(R.layout.main);
457    }
458
459    &#64;Override
460    protected void onStart() {
461        super.onStart();
462        // Bind to the service
463        bindService(new Intent(this, MessengerService.class), mConnection,
464            Context.BIND_AUTO_CREATE);
465    }
466
467    &#64;Override
468    protected void onStop() {
469        super.onStop();
470        // Unbind from the service
471        if (mBound) {
472            unbindService(mConnection);
473            mBound = false;
474        }
475    }
476}
477</pre>
478
479<p>この例では、サービスがクライアントにどのように応答できるのかは示されていません。サービスが応答するようにするには、クライアントで {@link android.os.Messenger} も作成する必要があります。
480その後、クライアントが {@link android.content.ServiceConnection#onServiceConnected
481onServiceConnected()} コールバックを受け取るとき、{@link android.os.Messenger#send send()} メソッドの {@link android.os.Message#replyTo} パラメータにクライアントの{@link android.os.Messenger} を含めてサービスに {@link android.os.Message} を送信します。
482
483
484</p>
485
486<p>双方向メッセージを提供する方法のサンプルについては、<a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/src/com/example/android/apis/app/MessengerService.html">{@code
487MessengerService.java}</a>(サービス)と <a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/src/com/example/android/apis/app/MessengerServiceActivities.html">{@code
488MessengerServiceActivities.java}</a>(クライアント)のサンプルをご覧ください。</p>
489
490
491
492
493
494<h2 id="Binding">サービスにバインドする</h2>
495
496<p>アプリケーションのコンポーネント(クライアント)は、{@link android.content.Context#bindService bindService()} を呼び出してサービスにバインドできます。
497次に Android システムがサービスの {@link android.app.Service#onBind
498onBind()} メソッドを呼び出し、そこからサービスとのやり取りに必要な {@link android.os.IBinder} が返されます。
499</p>
500
501<p>バインドは非同期的に行われます。{@link android.content.Context#bindService
502bindService()} は瞬時に返され、{@link android.os.IBinder} はクライアントには<em>返されません</em>。
503{@link android.os.IBinder} を受け取るには、クライアントが {@link
504android.content.ServiceConnection} のインスタンスを作成し、それを {@link android.content.Context#bindService
505bindService()} に渡す必要があります。{@link android.content.ServiceConnection} にはシステムが {@link android.os.IBinder} の配信用に呼び出すコールバック メソッドが含まれています。
506</p>
507
508<p class="note"><strong>注:</strong> サービスにバインドできるのは、アクティビティ、サービス、コンテンツ プロバイダのみです。ブロードキャスト レシーバーからサードパーティビスにはバインド<strong>できません</strong>。
509&mdash;</p>
510
511<p>そのため、クライアントからサービスにバインドするには次の操作が必要です。 </p>
512<ol>
513  <li>{@link android.content.ServiceConnection} を実装する。
514    <p>実装では次の 2 つのコールバック メソッドをオーバーライドする必要があります。</p>
515    <dl>
516      <dt>{@link android.content.ServiceConnection#onServiceConnected onServiceConnected()}</dt>
517        <dd>システムがこれを呼び出して、サービスの {@link android.app.Service#onBind onBind()} メソッドから返された {@link android.os.IBinder} を配信します。
518</dd>
519      <dt>{@link android.content.ServiceConnection#onServiceDisconnected
520onServiceDisconnected()}</dt>
521        <dd>サービスがクラッシュしたり強制終了されたりした場合など、サービスへの接続が予期せず失われたときに、Android システムがこれを呼び出します。
522これは、クライアントのアンバウンドの際には<em>呼び出されません</em>。
523</dd>
524    </dl>
525  </li>
526  <li>{@link
527android.content.Context#bindService bindService()} を呼び出して、{@link
528android.content.ServiceConnection} の実装を渡します。 </li>
529  <li>システムが {@link android.content.ServiceConnection#onServiceConnected
530onServiceConnected()} コールバック メソッドを呼び出すと、インターフェースで定義されたメソッドを使用してサービスへの呼び出しを開始できます。
531</li>
532  <li>サービスとの接続を切断するには、{@link
533android.content.Context#unbindService unbindService()} を呼び出します。
534    <p>クライアントが破棄されたときにはサービスからアンバウンドしますが、サービスが使用されていないときはシャットダウンできるよう、サービスとのやり取りが終了したときや、アクティビティが停止したときは常にアンバウンドする必要があります
535
536(バインドとアンバインドの適切なタイミングについては後半でさらに詳しく説明します)。
537</p>
538  </li>
539</ol>
540
541<p>たとえば、次のスニペットは <a href="#Binder"> Binder クラスを拡張</a>して先ほど作成したサービスにクライアントを接続しており、返された {@link android.os.IBinder} を {@code LocalService} クラスにキャストして、{@code
542LocalService} インスタンスを要求することだけが必要になります。
543
544</p>
545
546<pre>
547LocalService mService;
548private ServiceConnection mConnection = new ServiceConnection() {
549    // Called when the connection with the service is established
550    public void onServiceConnected(ComponentName className, IBinder service) {
551        // Because we have bound to an explicit
552        // service that is running in our own process, we can
553        // cast its IBinder to a concrete class and directly access it.
554        LocalBinder binder = (LocalBinder) service;
555        mService = binder.getService();
556        mBound = true;
557    }
558
559    // Called when the connection with the service disconnects unexpectedly
560    public void onServiceDisconnected(ComponentName className) {
561        Log.e(TAG, "onServiceDisconnected");
562        mBound = false;
563    }
564};
565</pre>
566
567<p>この {@link android.content.ServiceConnection} を使用して、クライアントは {@link android.content.Context#bindService bindService()} に渡すことでサービスにバインドできます。
568次に例を示します。</p>
569
570<pre>
571Intent intent = new Intent(this, LocalService.class);
572bindService(intent, mConnection, Context.BIND_AUTO_CREATE);
573</pre>
574
575<ul>
576  <li>{@link android.content.Context#bindService bindService()} の最初のパラメータは、バインドするサービス名を明示的に指定する {@link android.content.Intent} です(インテントは暗黙的である場合があります)。
577
578</li>
579<li>2 つ目のパラメータは {@link android.content.ServiceConnection} オブジェクトです。</li>
580<li>3 つ目のパラメータはバインドのオプションを示すフラグです。通常は {@link
581android.content.Context#BIND_AUTO_CREATE} でサービスがまだ存在していない場合にサービスを作成します。他の有効な値は、{@link android.content.Context#BIND_DEBUG_UNBIND} と {@link android.content.Context#BIND_NOT_FOREGROUND} か、未指定の {@code 0} です。
582
583</li>
584</ul>
585
586
587<h3>その他の注意点</h3>
588
589<p>サービスへのバインドに関する重要な注意点は次のとおりです。</p>
590<ul>
591  <li>接続が切れたときに投げられる {@link android.os.DeadObjectException} 例外は、常に処理する必要があります。
592リモート メソッドから投げられる例外はこれのみです。</li>
593  <li>オブジェクトはプロセス間で有効な参照です。 </li>
594  <li>通常は、クライアントのライフサイクルの立ち上がりと終了のタイミングに合わせて、その間でバインドとアンバインドをペア設定します。
595次に例を示します。
596    <ul>
597      <li>アクティビティが見えている間のみサービスとやり取りする必要がある場合は、
598{@link android.app.Activity#onStart onStart()} の間にバインドし、{@link
599android.app.Activity#onStop onStop()} の間にアンバインドします。</li>
600      <li>アクティビティがバックグラウンドで停止している間も応答を受け取りたい場合は、{@link android.app.Activity#onCreate onCreate()} の間にバインドし、{@link android.app.Activity#onDestroy onDestroy()} の間にアンバインドします。
601
602つまり、アクティビティの実行中は(バックグラウンドも含む)常にサービスを使用する必要があるため、サービスが別のプロセスにある場合は、プロセスの重みを上げて、システムに強制終了させやすいようにします。
603
604
605</li>
606    </ul>
607    <p class="note"><strong>注:</strong> 通常、アクティビティの {@link android.app.Activity#onResume onResume()} と {@link
608android.app.Activity#onPause onPause()} の間にはバインドとアンバインドは<strong>行いません</strong>。これは、これらのコールバックがライフサイクルの遷移すべてで発生するため、その遷移で発生するプロセスを最小限に抑える必要があるためです。
609
610また、アプリケーションの複数のアクティビティが同一サービスにバインドしていて、そのなかの 2 つのアクティビティ間の遷移が生じる場合、現在のアクティビティは次のアクティビティがバインドする(再開中)前にアンバインドされる(停止中)ため、サービスが破棄されて再作成される場合があります
611
612
613(ライフサイクルと連携したアクティビティの遷移の詳細については、「<a href="{@docRoot}guide/components/activities.html#CoordinatingActivities">Activities</a>」のドキュメントをご覧ください)。
614
615</p>
616</ul>
617
618<p>他のサンプル コードについては、 <a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/index.html">ApiDemos</a> の <a href="{@docRoot}resources/samples/ApiDemos/src/com/example/android/apis/app/RemoteService.html">{@code
619RemoteService.java}</a> クラスをご覧ください。</p>
620
621
622
623
624
625<h2 id="Lifecycle">バインドされたサービスのライフサイクルを管理する</h2>
626
627<p>サービスがすべてのクライアントからアンバインドされると、Android システムがそれを破棄します({@link android.app.Service#onStartCommand onStartCommand()} でも開始された場合を除く)。
628純粋にバインドされたサービスであれば、サービスのライフサイクルを管理する必要はありません。サービスがクライアントにバインドされているかどうかに基づいて Android システムがそれを管理します。
629
630&mdash;</p>
631
632<p>ただし、{@link android.app.Service#onStartCommand
633onStartCommand()} コールバック メソッドを実装する場合は、サービスは <em>開始された</em>とみなされるため、明示的に停止する必要があります。
634この場合、クライアントにバインドされているかどうかにかかわらず、サービスが {@link android.app.Service#stopSelf()} で自ら停止するまで、または他のコンポーネントが {@link
635android.content.Context#stopService stopService()} を呼び出すまで実行し続けます。
636
637</p>
638
639<p>さらに、サービスが開始されてバインドを許可する場合、システムが {@link android.app.Service#onUnbind onUnbind()} メソッドを呼び出すとき、次回クライアントがサービスにバインドするときに {@link android.app.Service#onRebind
640onRebind()} への呼び出しを受け取りたい場合は、{@code true} を返すようにすることもできます({@link
641android.app.Service#onBind onBind()} への呼び出しを受け取る代わりに)。{@link android.app.Service#onRebind
642onRebind()} からは void が返されますが、クライアントは {@link android.content.ServiceConnection#onServiceConnected onServiceConnected()} コールバックで {@link android.os.IBinder} を受け取ります。下の図 1 は、ライフサイクルのこの種の論理を表しています。
643
644
645
646</p>
647
648
649<img src="{@docRoot}images/fundamentals/service_binding_tree_lifecycle.png" alt="" />
650<p class="img-caption"><strong>図 1.</strong> 開始されたサービスでバインドを許可するサービスのライフサイクル
651</p>
652
653
654<p>開始されたサービスのライフサイクルの詳細については、「<a href="{@docRoot}guide/components/services.html#Lifecycle">サービス</a>」のドキュメントをご覧ください。</p>
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